橿原市内の道路渋滞の研究(2008年5月16日版)
(2008・05・16最終更新)

(1)橿原市の渋滞状況−渋滞調査資料の抜粋

(2)調査資料の分析と提言


(1)橿原市の渋滞状況−渋滞調査資料の抜粋

 

橿原市域の交通量・渋滞調査位置地図



地図と表は13箇所になっているが、4箇所のデータは前回2006年度入手のものと変わりがないので新たに郵便局前を追加した10箇所について、信号現示不適通過時間5分以上渋滞長500m以上の渋滞事例を以下にまとめた。(背景黄色の十市橋・市役所東・郵便局前は新規調査ポイント)

交差点

調査日
時間帯は午前7時〜午後7時

進入方向と渋滞車線

よく混む時間帯

状況

最大渋滞長

最大通過時間

原因

十市橋北詰 平成19年10月16日(火) (A)北からの進入直進南下で渋滞 午後6時00分〜6時30分 一時的な交通集中による直進車が先詰まりとなったため、捌け残りが発生。 500m 6分29秒 先詰まり
(B)南からの進入          
(C)東からの進入右折北上で渋滞 午前7時40分〜7時50分 右折車両が続くと、専用現示がなく青時間も21秒と短いため捌け残りが発生。右折レーンも39mと短く、直進左折車両の運行を阻害している。 250m 5分50秒 右折、対抗直進
(D)西からの進入          
葛本町 平成19年10月16日(火) (A)北からの進入全車線で渋滞 午後4時40分〜5時50分   900m 8分27秒 右折、対抗直進
沿道出入車両
先詰まり
(B)南からの進入          
(C)東からの進入全車線で渋滞 午後6時40分〜6時50分 一時的な交通量の集中。 180m 3分09秒 信号現示不適右折、対抗直進
左折車
(D)西からの進入全車線で渋滞 午後6時40分〜6時50分 一時的な交通量の集中と、後方(西)の交差点との連動が悪く、高架から下ってくる車両の速度低下も影響。 280m 5分03秒 信号現示不適
橿原市役所東 平成19年10月16日(火) (A)北からの進入          
(B)南からの進入          
(C)東からの進入          
(D)西からの進入          
橿原郵便局前 平成19年10月16日(火) (A)北からの進入   一時的な交通量の集中。 140m 2分49秒 信号現示不適
左折車
(B)南からの進入          
(C)東からの進入 午後5時10分〜
6時40分
畝傍駅前等沿道からの出入り車両があり、交通量が集中すると走行速度が低下、33秒の青現示では捌けなくなる。 460m 12分41秒 信号現示不適
沿道出入車両
(D)西からの進入          
兵部町 平成19年10月16日(火) (A)北からの進入     0m 0分00秒  
(B)南からのの進入          
(C)東からの進入全車線で渋滞 午後4時00分〜4時30分 右折して八木駅方面に向う車が多いが、右折レーンがない。
医大病院へ入るための車が前を横切るので速度が落ちる。
210m 3分11秒 信号現示不適
右折、対抗直進
沿道出入車両
(D)西からの進入     0m 0分00秒  
四条町 平成18年10月31日(火) (A)北からの進入全車線で渋滞 午後5時50分〜6時10分 大和高田バイパスへの乗り口。 180m 3分56秒 信号現示不適
(B)南からの進入全車線で渋滞 午後5時30分〜6時10分 大和高田バイパスへの乗り口。 200m 3分39秒 信号現示不適
(C)東からの進入          
(D)西からの進入全車線で渋滞 午後1時20分〜1時40分 右折して参道に入る第6現示が10秒から21秒に増えて、渋滞が緩和されている。 140m 3分12秒 信号現示不適
(E)北東(県警橿原署)からの進入          
土橋町南 平成18年10月31日(火) (A)北からの進入          
(B)南からの進入          
(C)東からの進入全車線で渋滞 午後1時30分〜6時50分 中和幹線から24号バイパスへ合流、右折して京奈和自動車道へ向かう車列と、左折して大和高田バイパスへ向う車列。左折レーンなし。 300m 5分35秒 信号現示不適
右折、対抗直進
(D)西からの進入          
曲川町東 平成18年10月31日(火) (A)北からの進入全車線で渋滞 ほぼ一日中 渋滞ピークは午前8時10分だが、ほぼ一日中、通過に2分以上かかる。
高田バイパスへ向う現示が約40秒と短く、流出先の先詰まりがある。
360m 5分25秒 信号現示不適
先詰まり
(B)南からの進入全車線で渋滞 午後2時〜2時40分   200m 3分16秒 信号現示不適
(C)東からの進入全車線で渋滞 午後5時40分
6時00分
左折流出先の先詰まりなので、(A)に同じ。 180m 3分00秒 信号現示不適
先詰まり
(D)西からの進入全車線で渋滞 午後5時20分〜5時30分   220m 2分39秒 信号現示不適
曲川町西 平成18年10月31日(火) (A)東からの進入          
(B)西からの進入          
(C)南からの進入          
(D)北からの進入          

★参考リンク

国土交通省奈良国道事務所

 


(2)調査資料の分析と提言

 国土交通省近畿地方整備局情報公開室より、「奈良県警察本部長あて・調査資料の分析と提言(2006年2月16日)」以後の状況を示す調査資料を頂きましたので、別表のとおり、渋滞長が500m以上または通過時間が5分以上の渋滞と信号現示不適による渋滞をまとめました。

 

渋滞箇所の確認

 兵部町交差点の東からの進入の渋滞は、前回13分48秒(300m)から今回3分11秒(210m)へと大幅に改善されました。これは、東からの進入のための第4現示が10秒から14秒に伸ばされた措置が効果的に働いているものと思われます。

 四条町交差点の西からの右折は、10分53秒(390m)から3分12秒(140m)へと、これも大幅に改善されました。橿原神宮参道に入るための信号現示が10秒しかなかったのが21秒に伸ばされた措置が効果的に働いているものと思われます。

 上記2点は、適切な措置をして頂き、渋滞長は5分(500m)を切りましたが、国交省のコメントは相変わらず信号現示不適となっておりますので、引き続き目配りをよろしくお願いします。

 今回の調査報告の中で、最も渋滞長が長かったのが、新たに調査地点として加えられました橿原郵便局前交差点の東からの進入で、信号現示不適とともに、JR畝傍駅からの沿道出入車両もあって、午後5時以降の渋滞原因になっています。(市役所の駐車場の南出口は5時に閉鎖しますので沿道出入車両はありません)。国交省の調査員は「33秒の青現示」では捌けていないとコメントしており、対応が必要かと思われます。

 次に渋滞が長いのが、十市橋北詰交差点の北からの南下(6分29秒・500m)と、それより南に位置する葛本町交差点北からの進入(8分27秒・900m)ですが、十市橋の渋滞原因は先詰まりと指摘されており、夕方にはこの二つの交差点の渋滞が事実上、ひとつながりの1400mに及ぶ渋滞になっている可能性があります。これは信号現示不適が原因とはされていませんが、何らかの方法で早急に対処が必要であると思います。

 同じ葛本町交差点の中和幹線の高架を下って24号線に入るための西からの進入の渋滞は、信号の第4現示を40秒から50秒へと変えて頂いたことにより、全体的にはかなり緩和されていますが、最大渋滞長の数字だけ見ると5分57秒(250m)が、5分03秒(280m)と夕方のの一時的な集中には、いまだ対応しきれていないようです。

 土橋町南交差点の24号線バイパスへの進入は、前回・今回ともに5分を越えています。左折南下により高田バイパスへ向う車列だけでなく、右折北上して京奈和自動車道へ向う車列が加わっており、第5現示の右折北上を(4秒から14秒へとすでに伸ばして頂いているようですが)更なる調整が必要かと思われます。

 今回の資料には、前回信号現示不適による渋滞指摘した新堂ランプ交差点の再調査資料が含まれておりませんので、これについては新たな調査資料を待ちたいと思います。

 また、交差点の調査ポイントには入っていませんが、国道165号線大和高田バイパスの終点である小房町交差点では、夕方、西からの右折南下の渋滞が顕著であり、これは右折専用の青現示が10秒しかなく、しかも、その直前の現示が対抗直進で、強引に高田バイパスから帰阪しようとする車に遮られて右折車が捌けず、右折レーンを全部使い切って中央の直進レーンにまで影響を及ぼしているためだと思われます。右折現示を、長くとり、さらに南の橿原万葉ホール向かいの交差点(国道169号線)とも連携して先詰まりを解消できるよう調整する必要があります。

 この点は、前回も指摘しましたが、10秒の青現示が未だに10秒のままになっているようですので、あえて再度、調査と調整を行い、渋滞解消を進めて頂けますよう、よろしくお願い申し上げます。


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