中和消防住民訴訟2

和広域消防組合職員不正採用事件〜2〜

住民訴訟「平成17年(行ウ)第12号」

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(9)住民訴訟・原告側提出の第三準備書面(2006・11・14) 

(10)住民訴訟・被告側提出の準備書面(2006・12・15)

2007・12・18付けで原告側が提出した「文書提出命令の申し立て」は、後に被告中和消防が文書を開示したため取り下げました。

(11)住民訴訟・原告側提出の第四準備書面(2007・2・5)

(12)住民訴訟・原告側提出の第四準備書面付属資料・成績改竄表(2007・2・5)

(13)住民訴訟・被告側提出の準備書面(2007・3・9)

(14)住民訴訟・原告側提出の訴えの変更申立書1・2・不正採用者別の損害額一覧表(2007・3・14)

(15)住民訴訟・被告側提出の準備書面(2007・5・11)

(16)住民訴訟・被告側提出の訴訟告知書(2007・5・11)


(9)住民訴訟・原告側提出の第三準備書面(2006・11・14)

平成17年(行ウ)第12号

怠る事実の違法確認請求事件
原告 奥田 寛
他22名

被告 中和広域消防組合管理者
安曽田 豊

平成18年11月14日

上記原告ら訴訟代理人
弁護士 相良博美
同  石川量堂
同  島由美子

奈良地方裁判所合議係 御中

第3準備書面

第1,被告の損害について,原告第2準備書面に追加して次の通り主張する。

1 ,定期健康診断費

(1)この定期健康診断費は,平成17年4月1日の職員の任用行為以前に支出されたものであるが,監査報告書では,「労働安全衛生法に基づき,事業者は労働者の安全と健康を確保し,快適な職場環境の形成を促進するため健康診断を実施する義務があ」るので,「地方自治法施行令第167条の2第1項第2号の規定に基づき契約し,支出されたものである」と説明されている(甲3:監査結果,第4項(6))。

 この定期健康診断は,平成17年4月1日付で任用される予定の者(任用内定者)を対象に行われたものである。

(2)したがって,不正な採用試験により本件19名を合格させ任用内定者とした違法行為(本件不正任用行為の一部をなすものである)がなければ,不正任用19名分の定期健康診断費は支出する必要がなったものであり,不正任用のための内定をしたために,支出せざるを得なくなったという意味で本件19名分の定期健康診断費全額が被告の損害となる。


2 ,共済組合負担金

(1)地方公務員法は,職員の病気,負傷,出産,休業,災害,退職,障害若しくは死亡又はその被扶養者の病気,負傷,出産,死亡若しくは災害に関して適切な給付を行うために,相互救済を目的とする共済制度が,実施されなければならないことと定めている(地方公務員法43条1項)。共済制度を運用し,実施する主体が共済組合である。

 共済組合の事業に要する費用は,組合員の掛け金と地方公共団体等の負担金によって補われ(地方公務員等共済組合法113条),地方公共団体は,地方公務員等共済組合法の規定に基づき算出された負担金を毎月共済組合に払い込まなければならない(地方公務員等共済組合法116条)が,その金額は,各職員の職種区分に応じて,給与の総額に一定率を乗じて計算される(甲2の9参照)。

(2)この様に,共済組合負担金は公務員として任用された者に関してのみ支出されるものであり,本件19名分の共済組合負担金は,本件不正任用行為がなければ支出されなかったものであるから,本件不正任用行為による被告の損害である。

 そして,被告が共済組合負担金を支出することによる利得は,もっぱら不正任用された19名に存し,被告には存しない。
 ただし,本件19名について採用を取消したことにより,負担金のうち,長期の分は,共済組合から中和広域消防組合に返還される(甲74:欠格条項該当者の採用後の取扱,5項,ただし書きの掛金の取扱と同様の扱いである)。

 したがって,採用取消までに本件19名に支払った共済組合負担金より,長期の分を差し引いた金額が損害となる。


3,地方公務災害補償基金負担金

(1)地方公務員法は,「職員が公務に因り死亡し,負傷し,若しくは疾病にかかり,若しくは公務に因る負傷若しくは疾病により死亡し,若しくは障害の状態となり,又は船員である職員が公務に因り行方不明となった場合においてその者又はその者の遺族若しくは被扶養者がこれらの原因によって受ける損害は,補償されなければならない。」と規定し,地方公務員が公務により受けた損害について,地方公共団体に対し補償義務を課している(45条1項)。また,同時に地方公務員法45条では,補償の迅速かつ公正な実施を確保する必要な補償に関する制度として定めるべき内容等が定められている。この規定を具体化したものが地方公務員災害補償法であり,地方公務員災害補償基金は,地方公務員等の公務上の災害又は通勤による災害に対する補償の迅速かつ公正な実施を確保するために設けられた補償の実施機関である。

 そして,被告をはじめ各地方公共団体の負担金は,基金の業務に要する経費を補うために支出が義務づけられているものである(地方公務員災害補償法49条1項)。

 各地方公共団体の負担金の額は,定款で定める職務の種類による職員の区分に応じ,当該職務の種類ごとの職員に係る給与の総額に,補償に要する費用及び基金の事務に要する費用その他の事情を考慮して定款で定める割合を,それぞれ乗じて得た額の合計額と規定されている(地方公務員災害補償法49条2項,負担金割合については甲2の10参照)。

(2)この様に,被告が負担する地方公務災害補償基金負担金の額は,職員の給与の総額が基本となっており,それは職員の人数及び給与額により変動するものであるから,本件不正任用行為がなければ,採用取消までに本件19名に支払った給与総額に負担金割合を乗じて得た金額分少ない負担で済んだといえる。

 被告には,本件19名分の地方公務災害補償基金負担金を支出することによる利得は存しない。

 したがって,採用取消までに本件19名に支払った給与総額に負担金割合を乗じて得た金額全額が,本件不正任用行為による被告の損害となる。


第2,不正任用された者に関する採用試験の成績

1  本準備書面に添付された「不正合格者等成績一覧」(以下,「本一覧表」という。)は,本件事件の刑事記録から判明した,被告の採用試験の結果を一覧表にしたものであり,★印が付いた者が成績操作によって不正任用された者である。              (


2  不正任用された者以外の受験者の成績についても,刑事記録から判明した者については,比較の意味があると考え,本一覧表に記載した。これから明らかなように,1次試験2次試験の成績がともに1位の者を始めとする,成績優秀者が軒並み不採用となっていることが伺われる。


3  これに対し,不正任用された19名のうち,1次試験の正味成績で合格基準(受験者中33位まで)に達していたのは1名(J,24位)だけである。1次試験の正味成績で合格基準に達していなかった18名のうち17名は1次試験の成績が100位以下であり,そのうち9名は200位以下(最下位(286位)の者も含む)である。
 さらに,不正任用された19名のうち,2次試験で成績が不正に水増しされ合格とされた者が8名おり,そのうち1次試験の合格基準に達していた1名(J)についても,2次試験の体力試験の結果等が不正に水増しされ,その結果,正味成績が31位から21位になり,合格とされている(合格者23名)。


4  上記のとおり,本来合格すべき者と不正任用された者の成績の帝離は著しく,その職務遂行能力は著しく劣ると考えられるので,不正任用された者が任用後に給付された給与とこれらの者が提供した労務の間には著しい不均衡があると考えられる。
 したがって,原告らが既に主張しているとおり,不正任用された者らに対して給付された給与についても,損害が生じていると言える。


第3,各人の違法行為と因果関係のある損害について

1 ,中村隆之,井邑雅則について

(1)中村の違法行為は,井邑に対し,本件19名を合格させるため試験結果を改鴛するよう指示し,改賀された試験結果に基づき,本件19名を不正任用したことである(甲7,甲85,甲89ないし甲94)。

(2)井邑の違法行為は,中村の指示を受けて試験結果を改蜜し,本件19名全員の不正任用行為に加担したことである(甲8,甲86ないし甲88)。

(3)したがって,両名の違法行為と全損害との間に因果関係がある。


2,長谷川雅章ついて

 長谷川の違法行為は,中村に対し,本件不正任用された19名のうち,Z,V,Wの3名を不正任用するよう働きかけ,もって,この3名の不正任用行為に加担したことである(甲27ないし甲29,甲47,甲48)。
 したがって,長谷川の違法行為と,上記3名分の損害との間に因果関係がある。


3,高見精一について

 高見の違法行為は,中村に対し,本件不正任用された19名のうち,GGを不正任用するよう働きかけ・もって,この不正任用行為に加担したことである(甲24ないし甲26,甲46,甲57ないし甲62)。
 したがって,高見の違法行為と,上記1名分の損害との間に因果関係がある。


4,森村修史について

 森村の違法行為は,中村に対し,本件不正任用された19名のうち・U,Qを不正任用するよう働きかけ,もって,この不正任用行為に加担したことである(甲76ないし甲84,甲93・甲94)。
 したがって,森村の違法行為と,上記2名分の損害との間に因果関係がある。

5,山本善一,木綿谷弘之・林多美子について

 これら3名の違法行為は,森村と共謀して・中村に対し・本件不正任用された19名のうち,Uを不正任用するよう働きかけ,もって,この不正任用行為に加担したことである(甲76ないし甲84)。
 したがって,これら3名の違法行為と,上記1名分との損害との間に因果関係がある。


6,高津力治について

 高津の違法行為は,中村に対し,本件不正任用された19名のうち・Y,EE,HHの3名を不正任用するよう働きかけ,もって,この3名の不正任用行為に加担したことである(甲17ないし甲23,甲40ないし甲44,甲49ないし甲56)。
 したがって,高津の違法行為と・上記3名分との損害との間に因果関係がある。


7,小松久展について

 小松の違法行為は,中村に対し・本件不正任用された19名のうち,DD,BB,AAの3名を不正任用するよう働きかけ・もって,この3名の不正任用行為に加担したことである(甲5・甲6・甲10ないし甲15・甲30ないし甲39,甲45).
 したがって,小松の違法行為と,上記3名分との損害との間に因果関係がある。

8,細井利悦について

 細井の違法行為は,長谷川と共謀して,中村に対し,本件不正任用された19名のうち,Zを不正任用するよう働きかけ,もって,この不正任用行為に加担したことである(甲27,甲29,甲47,甲48).
 したがって,細井の違法行為と,上記1名分との損害との間に因果関係がある。

9,前川正について

 前川の違法行為は,中村及び井邑が,平成17年5月29日,平成17年度採用試験の結果の改竄に関して,虚偽有印公文書作成・同行使の被疑事実で逮捕された際,前川は管理者として,直ちに事実を調査して,任用行為の無効を確認し,事実上の勤務関係を解消するよう指示ないし命令すべき義務があったのにこれを怠り,漫然と同年9月21日まで,本件19名と事実上の勤務関係を継続させたことである。

 前川が,直ちに任用行為の無効を確認し,事実上の勤務関係を解消するよう指示ないし命令していれば,平成17年6月1日以降に生じた損害の発生を防止できたといえる。

 したがって,本件全損害のうち,平成17年6月1日以降に支出されたものについては,前川の違法行為との間に因果関係がある。


第4,求釈明

 本件不正任用された19名のうち,Z,X,W,GG,Y,EE,HH,DD,BB,AA,U,Qに対し,不正任用されてから任用が取り消されるまでの間に支給された給与額を,各人別に明らかにするよう求める。

 本件不正任用された19名に対し,上記期間に支給された給与の金額が各人ごとに異なるため,原告が本件訴訟において,被告に損害賠償請求をするよう求めている者につき,それぞれの違法行為と相当因果関係のある損害額(前記のとおり,共済組合負担金,地方公務災害補償基金負担金は各自に支給された給与が算定基準となる。)を特定するためには,上記の者について,各人別に給与額を明示される必要があるところ,これまでに原告らが被告より開示された給与額の資料では,名前が消去されており,その点不明である。


以上


(10)住民訴訟・被告側提出の準備書面(2006・12・15)

平成17年(行ウ)第12号 怠る事実違法確認請求事件

原告 奥田寛 外23名

被告  中和広域消防組合管理者安曽田豊

準 備 書 面


平成18年12月15日

奈良地方裁判所民事部合議1係 御中


被告訴訟代理人 弁護士  中本
  勝 
同     弁護士  西村 甲児



第1 任用行為の無効性について

 原告は,第2準備書面において,瑕疵の明白性を認識する主体は処分庁であって,処分庁が瑕疵の存在を認識していれば,その行政行為の瑕疵は客観的に明白であると主張する。

 しかし,このような解釈は瑕疵が主観的に明白であればよいと言っているのと同じであって,瑕疵が客観的に明白であることを要求した最高裁昭和37年3月7日判決に明らかに反する。

 そもそも行政行為の無効が瑕疵が明白な場合に制限されるのは,ある行政行為がなされたことによって多数の利害関係者ないし派生する法律関係が生じ,その行政行為が後に無効とされることによってそれらの利害関係者ないし法律関係に重大な影響を及ぽすからであるが,そうであれば,瑕疵が明白であるというのは,当然その瑕疵が誰の目にも明らかな場合を指す。原告の主張は前記最高裁判決の解釈を誤った独自の見解と言うほかない。



第2 中和広域消防組合の損害について

  中和広域消防組合に損害が発生していないことは,これまで被告が繰り返し述べてきたとおりである。本件で任用された19名は,任用行為が取り消されるまで与えられた業務を行っており,中和広域消防組合に対して労務を提供していたのであるから,中和広域消防組合に損害は生じていない。

 原告は,要するに上記19名は元々消防組合職員としての公務を遂行する能力がない者であるから,これらの19名が提供した労務は支給された俸給と均衡を欠き,中和広域消防組合に損害が生じていると主張するようであるが,上記19名は適正に採用された職員と全く同様に業務(初任教育の受講)を行っていたのであるから,その俸給が労務と均衡を欠くことはない。

 なお,原告の主張からは.いかにも上記19名が身分不相応な俸給を受け取っていたかのようであるが,実際に上記19名に支給されていた俸給は,交通費を含めて月16万円から20万円程度であり(甲2号証の3),1か月の間労務を提供し続けた者にとって不当利得と称されるような額ではない。

 また,原告は,上記19名は任用が取り消されるまで初任教育を受けていただけであるから,その勤務は中和広域消防組合に全く利益をもたらさないとも主張する。しかし,命令に基づいて教育や研修を受けることも公務員の職務の一つであることは言うまでもなく,上記19名が中和広域消防組合に労務を提供していたことに変わりはない。

 次に,原告は,入校旅費や各種負担金といった諸経費についても,結局中和広域消防組合にとって何らの利益ももたらさない出費であるとして,中和広域消防組合の損害であると主張しているが,これらの出費も上記19名の労務の提供に付随して当然必要となる経費であるから損害には当たらない。



第3 各人の違法行為について

1 中村隆之が井邑雅則に対し,本件19名の試験結果の改竄を指示し,井邑が試験結果を改竄した結果,本件19名が不正に任用されたことは認める。

2 長谷川雅章,高見精一,森材修史,山本善一,木綿谷弘之,林多美子.萬津力治,小松久展,細井利悦の違法行為についても特に争わない。

3 前川正の行為については,中村及び井邑が平成17年5月29日に逮捕されたこと,前川が本件任用行為を取り消したのが同年9月21日だったことは認めるが,前川が漫然と本件19名の勤務を継続させたことは争う。

 本件19名に対する任用の取り消しは,事件発覚から相当な期間内に行われたものである。


第4 原告の求釈明について

 本件においては中和広域消防組合に損害が生じていないことが明らかであり,被告としては原告の求釈明に応じる必要性はないと考える。

以上


(11)住民訴訟・原告側提出の第四準備書面(2007・2・5)

平成17年(行ウ)第12号 怠る事実の違法確認請求事件

原告 奥田 寛 外22名

被告 中和広域消防組合管理者 安曽田 豊

第4準備書面

2007年2月5日

奈良地方裁判所合議1係 御中

原告訴訟代理人        
弁護士 相良 博美
同              
弁護士法人やまと法律事務所
担当弁護士 石川 量堂
担当弁護士 島 由美子

第1 各人の違法行為について

1 Fの不正採用について(甲76ないし甲94)

(1)共同不法行為者

 中村隆之(以下,「中村」という),井邑雅則(以下,「井邑」という),林多美子(以下,「林」という),山本善一(以下,「山本」という,木綿谷弘之(以下,「木綿谷」という),森村修史(以下,「森村」という)の共同不法行為により,Fは不正採用された。

(2)各人の役職等

 中村は,中和広域消防組合(以下,「本件組合」という)の平成17年度消防吏員採用試験実施当時(以下,「本件当時」という),本件組合の消防長であり,本件組合の消防本部の事務を統括し,職員採用試験の実施等について部下職員を指揮監督する職務に従事し,消防職員の任命権を有していた。
井邑は,本件当時,本件組合の消防本部人事企画課長として,職員採用試験の実施等の職務に従事していた。
 林は,Fの母親である。
 山本は林の弟であり,本件当時,大和高田市の市職員であった。
 木綿谷は,本件当時,大和高田市の市職員であった。
 森村は,本件当時,本件組合を組織する大和高田市の市会議員であった。

(3)共同不法行為の内容

 消防吏員の採用は,職務遂行の能力を有するかどうかを正確に判定することをもって目的とされる競争試験を行った上,受験成績その他の能力の実証に基づいて採用しなければならないのに,本件組合が行った「平成17年度中和広域消防組合消防吏員採用試験」に際し,林,山本,木綿谷,森村は,共謀の上,受験生であるFを,受験成績の実証に基づかずに同試験に合格させて消防吏員に不正採用させることを企て,森村において,中村に対し,平成16年9月中旬ころ,消防本部消防長室で,同試験を受験するFを試験成績如何に関わらず合格させ,消防吏員として任用してもらいたい旨,依頼した。

 中村は,この依頼を受け,井邑と共謀し,Fを不正採用しようと企て,平成16年11月1日ころ,奈良県橿原市慈明寺町149番地の3所在の本件組合消防本部(以下,「消防本部」という)3階人事企画課執務室において,別紙1「第1次試験成績一覧表」記載のとおり,真実は,受験者であるFの上記試験の第1次試験の成績順位・点数が,同表真実の成績欄記載のとおり,156番及び合計84・5点であったのに,同人を第1次試験合格者上位35名に組み入れるべく,井邑において,パーソナルコンピュータ等を用い,これを同表改ざん後の成績欄記載のとおり,18番及合計131・0点などの虚偽の記載をした平成17年度中和広域消防組合消防吏員採用第1次試験合格者名簿等を作成した上,これを井邑作成の「平成17年度中和広域消防組合消防吏員第1次試験合否の決定及び通知について(伺)」と題する決裁文書に添付するなどして,上記林慎祐の上記第1次試験の成績等が上記一覧表の改ざん後の成績欄記載の通りであったなどとする内容虚偽の文書を作成し,同月2日ころから4日ころにかけて,これを内容の真実な文書として,同県御所市1番3号所在の御所市役所等において,本件組合管理者である御所市長前川正らに提出するとともに上記人事企画課執務室に備え付けた。

 同月24日ころ,上記人事企画課執務室において,別紙2「第2次試験成績一覧表」記載のとおり,真実は,受験者であるFの上記試験の第2次試験の点数が,同表真実の成績欄記載のとおり,合計51・5点(成績順位は28番)であったのに,同人を第2次試験合格者上位23名に組み入れるべく,井邑において,パーソナルコンピュータ等を用い,これを同表改ざん後の成績欄記載のとおり,合計点65・0(成績順位は18番)と虚偽の記載をした平成17年度中和広域消防組合消防吏員採用第2次試験結果表等を作成した上,井邑作成の「平成17年度中和広域消防組合消防吏員採用第2次試験の結果及び合格者の決定並びに合否の通知について(伺)」と題する決裁文書に添付するなどして,Fの上記第2次試験の成績が上記一覧表の改ざん後の成績欄記載のとおりであったなどとする内容虚偽の文書を作成し,同月25日ころから26日ころにかけて,これを内容の真実な文書として,御所市役所等において,上記前川らに提出するとともに,上記人事企画課執務室に備え付けた。

 中村は,平成16年11月下句ころ,Fを,その採点結果に基づかずに同試験の合格者とした上,平成17年3月15日ころ,御所市役所等において,Fを任用するについて所要の手続きを行い,同年4月1日,消防本部において,本件組合消防吏員に任用し,もって,能力の実証に基づかない職員の任用をした。

2 Gの不正採用について(甲83,甲84ないし甲89,甲92ないし甲94)

(1)共同不法行為者

 中村,井邑,森村の共同不法行為により,Gは不正採用された。

(2)各人の役職等

 前述の通りである。

(3)共同不法行為の内容

 消防吏員の採用は,職務遂行の能力を有するかどうかを正確に判定することをもって目的とされる競争試験を行った上,受験成績その他の能力の実証に基づいて採用しなければならないのに,本件組合が行った「平成17年度中和広域消防組合消防吏員採用試験」に際し,森村は,Gを,受験成績の実証に基づかずに同試験に合格させて消防吏員に不正採用させることを企て,中村に対し,平成16年9月中旬ころ,消防本部消防長室で,同試験を受験するGを試験成績如何に関わらず合格させ,消防吏員として任用してもらいたい旨,依頼した。

 中村は,この依頼を受け,井邑と共謀し,Gを不正採用しようと企て,平成16年11月1日ころ,消防本部3階人事企画課執務室において,別紙1「第1次試験成績一覧表」記載のとおり,真実は,受験者であるGの上記試験の第1次試験の成績順位・点数が,同表真実の成績欄記載のとおり,123番及び合計91.5点であったのに,同人を第1次試験合格者上位35名に組み入れるべく,井邑において,パーソナルコンピュータ等を用い,これを同表改ざん後の成績欄記載のとおり,15番及合計131.5点などの虚偽の記載をした平成17年度中和広域消防組合消防吏員採用第1次試験合格者名簿等を作成した上,これを井邑作成の「平成17年度中和広域消防組合消防吏員第1次試験合否の決定及び通知について(伺)」と題する決裁文書に添付するなどして,上記Gの上記第1次試験の成績等が上記一覧表の改ざん後の成績欄記載の通りであったなどとする内容虚偽の文書を作成し,同月2日ころから4日ころにかけて,これを内容の真実な文書として,御所市役所等において,本件組合管理者である御所市長前川正らに提出するとともに上記人事企画課執務室に備え付けた。

 中村は,平成16年11月下旬ころ,Gを,その採点結果に基づかずに同試験の合格者とした上,平成17年3月15日ころ,御所市役所等において,Gを任用するについて所要の手続きを行い,同年4月1日,消防本部において,本件組合消防吏員に任用し,もって,能力の実証に基づかない職員の任用をした。

3 Bの不正採用について(甲25,甲26,甲46,甲57ないし甲62,甲85ないし甲91)

(1)共同不法行為者

 中村,井邑,高見精一(以下,「高見」という)の共同不法行為により,Bは不正採用された。

(2)各人の役職等

 高見は,本件当時,橿原市議会議員及び本件組合の議員であった。
 他は,前述の通りである。

(3)共同不法行為の内容

 消防吏員の採用は,職務遂行の能力を有するかどうかを正確に判定することをもって目的とされる競争試験を行った上,受験成績その他の能力の実証に基づいて採用しなければならないのに,本件組合が行った「平成17年度中和広域消防組合消防吏員採用試験」に際し,高見は,受験生であるBを,受験成績の実証に基づかずに同試験に合格させて消防吏員に採用させることを企て,平成16年9月中句ころ,消防本部消防長室において執務中の中村に対し,電話で,「今度,うちの後援会の役員の子供が消防を受けますんで,よろしくお願いします。」等と,上記Bを同試験の成績如何にかかわらず合格させて消防吏員に採用するよう依頼した上,さらに,同年10月28日ころ,「先生から頼まれていた三浦は,成績が悪すぎてどうにもなりませんねん。」等と上記Bの第一次試験の成績が悪いことから合格させるのは無理である旨の断りを入れてきた中村に対し,高見は,「消防長,そう言わんといてくださいよ。この子は後援会の役員の子やねん。頼みますわ。」等と上記同趣旨で上記Bを合格させるよう依頼し,もって,上記Bを不正に合格させた上,消防吏員に採用するよう依頼した。

 中村は,この依頼を受け,井邑と共謀し,Bを不正採用しようと企て,平成16年11月1目ころ,消防本部3階人事企画課執務室において,別紙1「第1次試験成績一覧表」記載のとおり,真実は,受験者であるBの上記試験の第1次試験の成績順位・点数が,同表真実の成績欄記載のとおり,279番及び合計49・0点であったのに,同人を第1次試験合格者上位35名に組み入れるべく,井邑において,パーソナルコンピュータ等を用い,これを同表改ざん後の成績欄記載のとおり,31番及合計120・5点などの虚偽の記載をした平成17年度中和広域消防組合消防吏員採用第1次試験合格者名簿等を作成した上,これを井邑作成の「平成17年度中和広域消防組合消防吏員第1次試験合否の決定及び通知について(伺)」と題する決裁文書に添付するなどして,上記Bの上記第1次試験の成績等が上記一覧表の改ざん後の成績欄記載の通りであったなどとする内容虚偽の文書を作成し,同月2日ころから4日ころにかけて,これを内容の真実な文書として,御所市役所等において,本件組合管理者である御所市長前川正らに提出するとともに上記人事企画課執務室に備え付けた。

 同月24日ころ,上記人事企画課執務室において,別紙2「第2次試験成績一覧表」記載のとおり・真実は,受験者であるBの上記試験の第2次試験の点数が,同表真実の成績欄記載のとおり,合計55・0点(成績順位は27番)であったのに,同人を第2次試験合格者上位23名に組み入れるべく,井邑において,パーソナルコンピュータ等を用い,これを同表改ざん後の成績欄記載のとおり,合計72・0点(成績順位は7番)と虚偽の記載をした平成17年度中和広域消防組合消防吏員採用第2次試験結果表等を作成した上,これらを井邑作成の「平成17年度中和広域消防組合消防吏員採用第2次試験の結果及び合格者の決定並びに合否の通知について(伺)」と題する決裁文書に添付するなどして,Bの上記第2次試験の成績が上記一覧表の改ざん後の成績欄記載のとおりであったなどとする内容虚偽の文書を作成し,同月25日ころから26日ころにかけて,これを内容の真実な文書として,御所市役所等において,上記前川らに提出するとともに上記人事企画課執務室に備え付けた。

 中村は,平成16年11月下句ころ,Bを,その採点結果に基づかずに同試験の合格者とした上,平成17年3月15日ころ,御所市役所等において,Bを任用するについて所要の手続きを行い,同年4月1日,消防本部において,本件組合消防吏員に任用し,もって,能力の実証に基づかない職員の任用をした。

4 Dの不正採用について(甲27ないし甲29,甲47,甲48・甲85ないし甲88)

(1)共同不法行為者

 中村,井邑,細井利悦(以下,「細井」という),長谷川雅章(以下,「長谷川」という)の共同不法行為により,Dは不正採用された。

(2)各人の役職等

 細井は,Dの父親である。
 長谷川は,本件当時,橿原市議会議員及び本件組合の議員であり,本件組合の議長をしていた。
 他は,前述の通りである。

(3)共同不法行為の内容

 消防吏員の採用は,職務遂行の能力を有するかどうかを正確に判定することをもって目的とされる競争試験を行った上,受験成績その他の能力の実証に基づいて採用しなければならないのに,本件組合が行った「平成17年度中和広域消防組合消防吏員採用試験」に際し,細井は,長谷川と共謀の上受験生であるDを,受験成績の実証に基づかずに同試験に合格させて消防吏員に採用させることを企て,平成16年9月中旬頃,消防本部消防長室で,執務中の中村に対し,長谷川において,「この子ら頼んどきますわ。」等と言って,Dを同試験の成績如何にかかわらず合格させて消防吏員に採用するよう依頼した上,さらに,10月下旬軋消防長室で,「3人ともアホばっかりでんがな。3人の中でも,特に細井は後ろの方やさかい,どないもできませんわ。」等と長谷川が口利きをした3名のうち,特にDについては,第一次試験の成績が悪いことから合格させるのは無理である旨の断りを入れてきた中村に対し,長谷川において,「消防長,そんなん言わんと,何とかしたってよ。頼むわ。」等と上記同趣旨で上記Dを合格させるよう依頼し,もって,細井利幸を不正に合格させた上,消防吏員に採用するよう依頼した。

 中村は,この依頼を受け,井邑と共謀し,Dを不正採用しようと企て,平成16年11月1日ころ,消防本部3階人事企画課執務室において,別紙1「第1次試験成績一覧表」記載のとおり,真実は,受験者であるDの上記試験の第1次試験の成績順位・点数が,同表真実の成績欄記載のとおり,208番及び合計72・5点であったのに・同人を第1次試験合格者上位35名に組み入れるべく,井邑において,パーソナルコンピュータ等を用い,これを同表改ざん後の成績欄記載のとおり,22番及び合計129・5点などの虚偽の記載をした平成17年度中和広域消防組合消防吏員採用第1次試験合格者名簿等を作成した上,これを井邑作成の「平成17年度中和広域消防組合消防吏員第1次試験合否の決定及び通知について(伺)」と題する決裁文書に添付するなどして,上記Dの上記第1次試験の成績等が上記一覧表の改ざん後の成績欄記載の通りであったなどとする内容虚偽の文書を作成し,同月2日ころから4日ころにかけて,これを内容の真実な文書として,御所市役所等において,本件組合管理者である御所市長前川正らに提出するとともに上記人事企画課執務室に備え付けた。

 中村は,平成16年11月下旬ころ,Dを,その採点結果に基づかずに同試験の合格者とした上,平成17年3月15日ころ,御所市役所等において,細井利幸を任用するについて所要の手続きを行い,同年4月1日,消防本部において,本件組合消防吏員に任用し,もって,能力の実証に基づかない職員の任用をした。

5 J及びHの不正採用について(甲27ないし甲29,甲47,甲48,甲85ないし甲88)

(1)共同不法行為者

 中村,井邑,長谷川の共同不法行為により,J及びHは不正採用された。

(2)各人の役職等

 前述の通りである。

(3)共同不法行為の内容

 消防吏員の採用は,職務遂行の能力を有するかどうかを正確に判定することをもって目的とされる競争試験を行った上,受験成績その他の能力の実証に基づいて採用しなければならないのに,本件組合が行った「平成17年度中和広域消防組合消防吏員採用試験」に際し,長谷川は,受験生であるJ及びHを,受験成績の実証に基づかずに同試験に合格させて消防吏員に採用させることを企て,平成16年9月中旬頃,消防本部消防長室において,中村に対し,Jの名前や受験番号を書き込んだメモ用紙などを示しながら,「この子ら頼んどきますわ。」等と申し向け,さらに,同月下旬頃,消防本部消防長室において執務中の中村に対し,「実は,もう1人頼みたい子おりまんねん。」と言ってHのフルネームと受験番号を書いたメモ用紙を渡し,「これでんねん。頼んどきますわ。」等と申し向け,J及びHを同試験の成績如何にかかわらず合格させて消防吏員に採用するよう依頼した。

 中村は,この依頼を受け,井邑と共謀し,J及びHを不正採用しようと企て,平成16年11月1日ころ,消防本部3階人事企画課執務室において,別紙1「第1次試験成績一覧表」記載のとおり,真実は,受験者であるJ及びHの上記試験の第1次試験の成績順位・点数が,同表真実の成績欄記載のとおり,173番並びに168番及び合計80.0点並びに81.5であったのに,同人を第1次試験合格者上位35名に組み入れるべく,井邑において,パーソナルコンピュータ等を用い,これを同表改ざん後の成績欄記載のとおり,20番並びに21番及び合計130.5並びに130.0点などの虚偽の記載をした平成17年度中和広域消防組合消防吏員採用第1次試験合格者名簿等を作成した上,これを井邑作成の「平成17年度中和広域消防組合消防吏員第1次試験合否の決定及び通知について(伺)」と題する決裁文書に添付するなどして,上記J及びHの上記第1次試験の成績等が上記一覧表の改ざん後の成績欄記載の通りであったなどとする内容虚偽の文書を作成し,同月2日ころから4日ころにかけて,これを内容の真実な文書として,御所市役所等において,本件組合管理者である御所市長前川正らに提出するとともに上記人事企画課執務室に備え付けた。

 同月24日ころ,上記人事企画課執務室において,別紙2「第2次試験成績一覧表」記載のとおり,真実は,受験者であるJの上記試験の第2次試験の点数が,同表裏実の成績欄記載のとおり,合計40・5点(成績順位は33番)であったのに,同人を第2次試験合格者上位23名に組み入れるべく,井邑において,その職務に閑し,行使の目的をもって,ほしいままに,パーソナルコンピュータ等を用い,これを同表改ざん後の成績欄記載のとおり,合計66.0点(成績順位は15番)と虚偽の記載をした平成17年度中和広域消防組合消防吏員採用第2次試験結果表等を作成した上,これらを井邑作成の「平成17年度中和広域消防組合消防吏員採用第2次試験の結果及び合格者の決定並びに合否の通知について(伺)」と題する決裁文書に添付するなどして,Jの上記第2次試験の成績が上記一覧表の改ざん後の成績欄記載のとおりであったなどとする内容虚偽の文書を作成し,同月25日ころから26日ころにかけて,これを内容の真実な文書として,御所市役所等において,上記前川らに提出するとともに上記人事企画課執務室に備え付けた。

 中村は,平成16年11月下旬ころ,J及Hを,その採点結果に基づかずに同試験の合格者とした上,平成17年3月15日ころ,御所市役所等において,J及Hを任用するについて所要の手続きを行い,同年4月1日,消防本部において,本件組合消防吏員に任用し,もって,能力の実証に基づかない職員の任用をした。

6 P,A及びNの不正採用について(甲5,甲6,甲10ないし甲16,甲30ないし甲39,甲45,甲85ないし甲91)

(1)共同不法行為者

 中村,井邑,小松久展(以下,「小松」という)の共同不法行為により,P,A及びN(以下,「P等3名」という)は不正採用された。

(2)各人の役職等

 小松は,本件当時,御所市議会議員であり,本件組合の議員で,本件組合の監査委員をしていた。
 その他は,前述の通りである.

(3)共同不法行為の内容

 消防吏員の採用は,職務遂行の能力を有するかどうかを正確に判定することをもって目的とされる競争試験を行った上,受験成績その他の能力の実証に基づいて採用しなければならないのに,本件組合が行った「平成17年度中和広域消防組合消防吏員採用試験」に際し,小松は,受験生であるP等3名を,受験成績の実証に基づかずに同試験に合格させて消防吏員に採用させることを企て,平成16年9月中旬ころ,消防本部消防長室において執務中の中村に対し,電話で,「今度,Aという子とPという子が消防の試験受けるから頼むわ。2人とも,私の心易くしているとこの子や。」等と,また,同月下旬ころ,消防本部消防長室において,本件組合消防本部次長東浦茂文を介して,上記中村に対し,「Nという子が受験するのでよろしく。」等と,それぞれ申し向け,P等3名を同試験の成績如何にかかわらず合格させて消防吏員に採用するよう依頼した上,さらに,同年10月27日ころ,上記消防長室から,電話で,「頼まれてた3人とも成績が悪いですねん。特にPはひどいですねん。」等とP等3名の第1次試験の成績が悪いことから合格させるのは無理である旨の断りを入れてきた中村に対し,小松は,「消防長,そう言わんと頼むわ。零点と違うやろ。何とかしたってよ。」等と上記同趣旨でP等3名を合格させるよう依頼した。

 中村は,この依頼を受け,井邑と共謀し,P等3名を不正採用しようと企て,平成16年11月1日ころ,消防本部3階人事企画課執務室において,別紙1「第1次試験成績一覧表」記載のとおり,真実は,受験者であるP等3名の上記試験の第1次試験の成績順位・点数が,同表真実の成績欄記載のとおり,216番ないし261及び合計70.5ないし59.0点であったのに,同人を第1次試験合格者上位35名に組み入れるべく,井邑において,パーソナルコンピュータ等を用い,これを同表改ざん後の成績欄記載のとおり,25番ないし29番及び合計127・0点ないし122.0点などの虚偽の記載をした平成17年度中和広域消防組合消防吏員採用第1次試験合格者名簿等を作成した上,これを井邑作成の「平成17年度中和広域消防組合消防吏員第1次試験合否の決定及び通知について(伺)」と題する決裁文書に添付するなどして,P等3名の上記第1次試験の成績等が上記一覧表の改ざん後の成績欄記載の通りであったなどとする内容虚偽の文書を作成し,同月2日ころから4日ころにかけて,これを内容の真実な文書として,御所市役所等において,本件組合管理者である御所市長前川正らに提出するとともに上記人事企画課執務室に備え付けた。

 同月24日ころ,上記人事企画課執務室において,別紙2「第2次試験成績一覧表」記載のとおり,真実は,受験者であるP,Nの上記試験の第2次試験の点数が,同表裏実の成績欄記載のとおり,合計60.5点(成績順位は25番)及び50・5点(成績順位は29番)であったのに,同人を第2次試験合格者上位23名に組み入れるべく,井邑において,パーソナルコンピュータ等を用い,これを同表改ざん後の成績欄記載のとおり,合計70・0点(成績順位は9番)及び64・5点(成績順位は20番)と虚偽の記載をした平成17年度中和広域消防組合消防吏員採用第2次試験結果表等を作成した上,これらを井邑作成の「平成17年度中和広域消防組合消防吏員採用第2次試験の結果及び合格者の決定並びに合否の通知について(伺)」と題する決裁文書に添付するなどして,P,Nの上記第2次試験の成績が上記一覧表の改ざん後の成績欄記載のとおりであったなどとする内容虚偽の文書を作成し,同月25日ころから26日ころにかけて,これを内容の真実な文書として,御所市役所等において,上記前川らに提出するとともに上記人事企画課執務室に備え付けた。

 中村は,平成16年11月下旬ころ,P等3名を,その採点結果に基づかずに同試験の合格者とした上,平成17年3月15日ころ,御所市役所等において,P等3名を任用するについて所要の手続きを行い,同年4月1日,消防本部において・本件組合消防吏員に任用し,もって,能力の実証に基づかない職員の任用をした。

7 S,M及びEの不正採用について(甲18ないし甲23,甲40ないし甲44・甲49ないし甲56,甲85ないし甲91)

(1)共同不法行為者

 中村,井邑,萬津力治(以下,「萬津」という)の共同不法行為により,S,M及びE(以下,「西川等3名」という)は不正採用された。

(2)各人の役職等

 萬津は,本件当時,大和高田市議会議員及び本件組合の議員であり,本件組合の副議長をしていた。
 その他は,前述の通りである.

(3)共同不法行為の内容

 消防吏員の採用は,職務遂行の能力を有するかどうかを正確に判定することを目的とされる競争試験を行った上受験成績その他の能力の実証に基づいて採用しなければならないのに,本件組合が行った「平成17年度中和広域消防組合消防吏員採用試験」に際し,萬津は,受験生である西川等3名を,受験成績の実証に基づかずに同試験に合格させて消防吏員に採用させることを企て,平成16年9月中旬ころ,消防本部消防長室において,中村に対し,「今度,Sという子と,Mという子が,消防の試験受けよんねん。後援会の子やさかい,よろしゅう頼んますわ。」等と申し向け,さらに,電話で,「実は,もう1人頼まれてん。Eという子やねん。」等と申し向け,S等3名を同試験の成績如何にかかわらず合格させて消防吏員に採用するよう依頼した上,さらに,同年10月27日ころ,「副議長から頼まれていた子の成績が悪いです。Mは,成績が下のほうでんねん。Sは,どべたでんねん.どうもなりませんねん。」等とS等3名の第1次試験の成績が悪いことから合格させるのは無理である旨の断りを入れてきた中村に対し,高津は,「消防長,そんなこと言わんとなんとかしてや。SもMも後援会の子やねん。通してもらわんかったら後援会つぶれてまうがな。」等と上記同趣旨でS等3名を合格させるよう依頼した。

 中村は,この依頼を受け,井邑と共謀し,S等3名を不正採用しようと企て,平成16年11月1日ころ,消防本部3階人事企画課執務室において,別紙1「第1次試験成績一覧表」記載のとおり,真実は,受験者であるS等3名の上記試験の第1次試験の成績順位・点数が,同表裏実の成績欄記載のとおり,208番ないし286番及び合計72・5点ないし26・0点であったのに,同人を第1次試験合格者上位35名に組み入れるべく・井邑において,パーソナルコンピュータ等を用い,これを同表改ざん後の成績欄記載のとおり,22番ないし33番及合計129・5点ないし120・0点などの虚偽の記載をした平成17年度中和広域消防組合消防吏員採用第1次試験合格者名簿等を作成した上,これを井邑作成の「平成17年度中和広域消防組合消防吏員第1次試験合否の決定及び通知について(伺)」と題する決裁文書に添付するなどして,S等3名の上記第1次試験の成績等が上記一覧表の改ざん後の成績欄記載の通りであったなどとする内容虚偽の文書を作成し,同月2日ころから4日ころにかけて,これを内容の真実な文書として,御所市役所等において,本件組合管理者である御所市長前川正らに提出するとともに上記人事企画課執務室に備え付けた。

 中村は,平成16年11月下旬ころ,S等3名を,その採点結果に基づかずに同試験の合格者とした上,平成17年3月15日ころ,御所市役所等において,S等3名を任用するについて所要の手続きを行い,同年4月1日,消防本部において,本件組合消防吏員に任用し,もって,能力の実証に基づかない職員の任用をした。

8 その他7名の不正採用について(甲7,甲8,甲17,甲24,甲27,甲85ないし甲94)

(1)共同不法行為者

 中村,井邑の共同不法行為により,O,C,I,R,L,Q,Kの7名は不正採用された。

(2)各人の役職等

 前述の通りである。

(3)共同不法行為の内容

 消防吏員の採用は,職務遂行の能力を有するかどうかを正確に判定することを目的とされる競争試験を行った上,受験成績その他の能力の実証に基づいて採用しなければならないのに,本件組合が行った「平成17年度中和広域消防組合消防吏員採用試験」に際し,中村と井邑は共謀し,O・C,I,R,L,Q(以下,「O等6名」という)を不正採用しようと企て,平成16年11月1日ころ,消防本部3階人事企画課執務室において,別紙1「第1次試験成績一覧表」記載のとおり,真実は,受験者であるO等6名の上記試験の第1次試験の成績順位・点数が,同表真実の成績欄記載のとおり,55番ないし234番及び合計110.5点ないし66.5点などであったのに,同人らを第1次試験合格者上位35名に組み入れるべく,井邑において,パーソナルコンピュータ等を用い,これを同表改ざん後の成績欄記載のとおり,15番ないし33番及合計131.5点ないし120点などの虚偽の記載をした平成17年度中和広域消防組合消防吏員採用第1次試験合格者名簿等を作成した上,これを井邑作成の「平成17年度中和広域消防組合消防吏員第1次試験合否の決定及び通知について(伺)」と題する決裁文書に添付するなどして,O等6名の受験者と上記第1次試験の成績等が上記一覧表の改ざん後の成績欄記載の通りであったなどとする内容虚偽の文書を作成し,同月2日ころから4日ころにかけて,これを内容の真実な文書として,御所市役所等において,本件組
合管理者である御所市長前川正らに提出するとともに上記人事企画課執務室に備え付けた。

イ 同月24日ころ,上記人事企画課執務室において,別紙2「第2次試験成績一覧表」記載のとおり,真実は,受験者であるK,O,L(以下,「K等3名」という)の上記試験の第2次試験の点数が,同表裏実の成績欄記載のとおり,合計45.5点(成績順位は31番)ないし61.0点(成績順位は24番)などであったのに,同人らを第2次試験合格者上位23名に組み入れるべく,井邑において,パーソナルコンピュータ等を用い,これを同表改ざん後の成績欄記載のとおり,合計64・0点(成績順位は21番)ないし71.0点(成績順位は8番)などと虚偽の記載をした平成17年度中和広域消防組合消防吏員採用第2次試験結果表等を作成した上,これら井邑作成の「平成17年度中和広域消防組合消防吏員採用第2次試験の結果及び合格者の決定並びに合否の通知について(伺)」と題する決裁文書に添付するなどして,K等3名の受験者の上記第2次試験の成績が上記一覧表の改ざん後の成績欄記載のとおりであったなどとする内容虚偽の文書を作成し,同月25日ころから26日ころにかけて,これを内容の真実な文書として,御所市役所等において,上記前川らに提出するとともに上記人事企画課執務室に備え付けた。

 中村は,平成16年11月下旬ころ,O等6名及びK(以下,「O等7名」という)を,その採点結果に基づかずに同試験の合格者とした上,平成17年3月15日ころ,御所市役所等において,O等7名を任用するについて所要の手続きを行い,同年4月1日,消防本部において,本件組合消防吏員に任用し,もって,能力の実証に基づかない職員の任瀾をした。

9 前川正の違法行為

 前川正(以下,「前川」という)は,本件当時,御所市議会議員及び本件組合の管理者であった。
 前川は,本件当時,中和広域消防組合の管理者であり,過去の採用試験の際にも議員の口利きによる不正採用が問題になっていたことからすれば(甲2の6:新聞記事3頁,2005年10月1日毎日新聞,同年10月1日奈良新聞,同日朝日新聞の記事内容参照),平成17年度の採用に際しては,議員の口利きに応じず消防吏員の採用試験を適正に行うよう,中村,井邑,その他の試験委員等に注意を促すなど,指導,監督する義務があったのにこれを怠り,中村らの採用試験結果の改竄,及び改竄結果に基づく不正任用行為を過失により看過し,任用に対する承認(消防組織法14条の3第1項参照)を行うべきでないのに,これを行った違法がある。

 少なくとも,中村及び井邑が平成17年5月29日,平成17年採用試験の結果の改竄行為に関して,虚偽有印公文書作成,同行使の被疑事実で逮捕された際,前川は,管理者として,直ちに事実を調査して,当該任用行為の無効を確認し,事実上あるいは外形上の勤務関係を解消するよう指示ないし命令すべき義務があったのにこれを怠り,漫然と同年9月21日まで,19名との事実上の勤務関係を継続させた違法がある。

以上


(12)住民訴訟・被告側提出の第四準備書面付属資料・成績改竄表(2007・2・5)

第1次試験成績一覧表

番号

氏名

真実の成績

改ざん後の成績

順位

教養

消防適正B

作文

合計

順位

教養

消防適正B

作文

合計

1

S

286

18.0

0.0

8.0

26.0

33

68.0

24.0

28.0

120.0

2

B

279

26.0

15.0

8.0

49.0

31

65.0

27.5

28.0

120.5

3

M

272

28.0

20.0

5.0

53.0

30

65.0

30.0

26.0

121.0

4

P

261

35.0

13.0

11.0

59.0

29

64.0

28.0

30.0

122.0

5

E

208

37.0

21.5

14.0

72.5

22

67.0

31.5

31.0

129.5

6

D

208

35.0

23.5

14.0

72.5

22

67.0

30.5

32.0

129.5

7

N

216

32.0

27.5

11.0

70.5

25

65.0

32.0

30.0

127.0

8

O

234

30.0

24.5

12.0

66.5

26

65.0

28.5

29.0

122.5

9

C

194

37.0

19.0

19.0

75.0

22

68.0

29.5

32.0

129.5

10

A

222

23.0

24.5

22.0

69.5

26

63.0

29.5

30.0

122.5

11

J

173

39.0

26.0

15.0

80.0

20

69.0

30.5

31.0

130.5

12

H

168

40.0

21.5

20.0

81.5

21

70.0

28.0

32.0

130.0

13

F

156

40.0

27.5

17.0

84.5

18

70.0

31.0

30.0

131.0

14

I

150

45.0

14.5

26.0

85.5

18

69.0

31.0

31.0

131.0

15

R

130

37.0

30.0

23.0

90.0

15

66.0

33.5

32.0

131.5

16

L

128

45.0

30.0

16.0

91.0

15

67.0

31.5

33.0

131.5

17

G

123

48.0

26.5

17.0

91.5

15

69.0

32.5

30.0

131.5

18

Q

55

72.0

27.5

11.0

110.5

33

72.0

28.0

20.0

120.0

 

 

第2次試験成績一覧表

番号

氏名

真実の成績

改ざん後の成績

面接試験

体力測定

合計

面接試験

体力測定

合計

面接
官1

面接
官2

面接
官3

面接
官4

面接
官5

平均点
(1/2)

1500/
400走

懸垂/
腕立て

立三段
跳/立
幅跳

時間往
復走

立位体
前屈

合計

面接
官1

面接
官2

面接
官3

面接
官4

面接
官5

平均点
(1/2)

1500/
400走

懸垂/
腕立て

立三段
跳/立
幅跳

時間往
復走

立位体
前屈

合計

1

J

45

55

50

30

45

22.5

6

4

1

5

2

18

40.5

80

85

70

90

85

41.0

6

5

3

5

6

25

66.0

2

K

70

60

55

35

55

27.5

5

4

0

5

4

18

45.5

70

80

85

80

75

39.0

5

4

3

5

8

25

64.0

3

O

50

65

75

50

60

30.0

2

2

0

5

8

17

47.0

80

75

75

80

85

39.5

5

5

3

5

8

26

65.5

4

B

35

30

70

25

30

19.0

7

10

6

6

7

36

55.0

70

65

70

80

75

36.0

7

10

6

6

7

36

72.0

5

N

50

70

70

50

45

28.5

5

6

2

5

4

22

50.5

85

85

80

85

90

42.5

5

6

2

5

4

22

64.5

6

F

50

55

80

65

45

29.5

4

5

1

5

7

22

51.5

90

80

85

85

90

43.0

4

5

1

5

7

22

65.0

7

L

50

60

90

55

45

30.0

8

9

3

6

5

31

61.0

80

75

90

85

70

40.0

8

9

3

6

5

31

71.0

8

P

50

80

90

55

50

32.5

7

7

2

6

6

28

60.5

80

80

90

85

85

42.0

7

7

2

6

6

28

70.0


(13)住民訴訟・被告側提出の準備書面(2007・3・9)

 

平成17年(行ウ)第12号 怠る事実違法確認請求事件

原告 奥田寛 外23名

被告  中和広域消防組合管理者安曽田豊

準 備 書 面


平成19年3月9日

奈良地方裁判所民事部合議2係 御中


被告訴訟代理人 弁護士  中本
  勝 
同     弁護士  西村 甲児

原告第4準備書面第1「各人の違法行為」に対する認否

1 第1項ないし第8項の事実は特に争わない。

2 第9項(前川正の違法行為)について

(1)前川が,本件当時,本件組合の管理者であったことは認めるが,前川は,本件当時,御所市議会議員ではなく御所市長であった。

(2)その余の前川の行為に違法があったとの主張は争う。

 原告は,前川に,平成17年度の採用に関して議員の口利きに応じず消防吏員の採用試験を適切に行うよう中村消防長らを指導・監督する義務があったと主張するが,これは抽象論を述べているに過ぎず,具体的な不正行為の恐れを認識してもいないのに,中村消防長や井邑課長等に対し,議員のロ利きに応じないよう指導・監督を行うべき義務が前川に発生するものではない。特に.本件組合の管理者は組合市町村の長の互選によって選任される存在であり(甲4号証),常に本件組合に身を置いて本件組合の業務を監視することが予定されている役職ではないのであるから,具体的な不正行為の恐れを認識しない状態であっても管理者に上記のような義務があるとすることは,管理者に就任する者に不可能を強いるものである。

 なお,この点について原告は,過去の採用試験の際にも議員の口利きによる不正採用が問題になっていたことを挙げているが,原告が引用している新聞記事によれば.中村消防長が議員の口利きの事実を漏らしていたとされるのは家族であり,この他には「口利きについて風聞はあったように思う。」という程度の記事があるだけであるから,これらの新開記事から前川に具体的な不正行為の恐れを認識できる可能性があったとは到底言えない。

 また,原告は,前川が漫然と本件19名の勤務を継続させたとも主張しているが,平成17年5月29日に中村消防長及び井邑課長が逮補された直後は,当然のことながら中村消防長や井邑課長から事情を聞くことはできず,関係資料も捜査機関に押収されている状態だったので,本件組合としても適格に事実確認を行える状態ではなかった。このため,本件組合は,本件に関する捜査や公判の推移を見守りながら,平成17年9月21日に本件19名の内18名(残る1名は辞職)の採用の取消を行ったのである。

 このように,本件19名の任用に関する処分は,事件発覚から相当期間内に行われており,原告の主張するような違法はない。

以上


(14)住民訴訟・訴えの変更申立書1・2(2007・3・14)

 

平成17年(行ウ)第12号  怠る事実の違法確認請求事件

原 告 奥田 寛外22名

被 告 中和広域消防組合管理者 安曽田 豊

訴えの変更申立書1

2007年3月14日

奈良地方裁判所合議1係 御中

原告ら訴訟代理人          
弁護士 相良 博美
      
同         
弁護士法人やまと法律事務所
担当弁護士 石川 量堂
   
担当弁護士 島 由美子
   

頭書の事件について,原告らは,次の通り,交換的に訴えを変更する。

第1 請求の趣旨

1 被告中和広域消防組合管理者安曽田豊が,前川正,中村隆之,井村雅則,林多美子,山本善一,木綿谷弘之,森村修史らに対して,同人らは連帯して110万4928円を支払えとの請求をすることを怠ることは違法であることを確認する。

2 被告中和広域消防組合管理者安曽田豊が,前川正,中村隆之,井村雅則,森村修史に対して,同人らは連帯して172万2473円を支払えとの請求をすることを怠ることは違法であることを確認する。

3 被告中和広域消防組合管理者安曽田豊が,前川正,中村隆之,井村雅則,高見精一に対して,同人らは連帯して176万2072円を支払えとの請求をすることを怠ることは違法であることを確認する。

4 被告中和広域消防組合管理者安曽田豊が,前川正,中村隆之,井村雅則,細井利悦,長谷川雅章に対して,同人らは連帯して172万3195円を支払えとの請求をすることを怠ることは違法であることを確認する。

5 被告中和広域消防組合管理者安曽田豊が,前川正,中村隆之,井村雅則,長谷川雅章に対して,同人らは連帯して331万7443円を支払えとの請求をすることを怠ることは違法であることを確認する。

6 被告中和広域消防組合管理者安曽田豊が,前川正,中村隆之,井村雅則,小松久展に対して,同人らは連帯して477万3400円を支払えとの請求をすることを怠ることは違法であることを確認する。

7 被告中和広域消防組合管理者安曽田豊が,前川正,中村隆之,井村雅則,萬津力治に対して,同人らは連帯して483万9637円を支払えとの請求をすることを怠ることは違法であることを確認する。

8 被告中和広域消防組合管理者安曽田豊が,前川正,中村隆之,井村雅則に対して,同人らは連帯して1111万2538円を支払えとの請求をすることを怠ることは違法であることを確認する。

9 訴訟費用は被告の負担とする。

との判決を求める。

第2 請求の原因

1 請求の原因は,原告らが,これまで訴状及び第1ないし第4準備書面で主張している通りである。

 しかしながら,訴状においては,原告らが第4準備書面で主張した各人の違法行為と相当因果関係のある損害について特定しておらず,また,各損害項目の損害金額についても不正確な点があったので,下記の通り特定し,各損害項目の損害金額の訂正をする。

 そして,下記損害額の特定に基づき,上記請求の趣旨記載の通り,訴えの変更を申し立てる。

 いずれも,地方自治法242条の2第1項3号に基づく請求である点は,変わりがない。

2 各人の違法行為と相当因果関係のある損害について

(1) Fの不正採用について
 共同不法行為者
前川正(以下,「前川」という),中村隆之(以下,「中村」という),井邑雅則(以下,「井邑」という),林多美子(以下,「林」という),山本善一(以下,「山本」という),木綿谷弘之(以下,「木綿谷」という),森村修史(以下,「森村」という)の共同不法行為により,Fは不正採用された。
 Fの不正採用によって生じた損害は,別紙1の,請求の趣旨1の欄記載の通りである。
 よって,原告らは,請求の趣旨1記載の通りの判決を求める。

(2) Gの不正採用について
 共同不法行為者
前川,中村,井邑,森村の共同不法行為により,Gは不正採用された。
 Gの不正採用によって生じた損害は,別紙1の,請求の趣旨2の欄記載の通りである。
 よって,原告らは,請求の趣旨2記載の通りの判決を求める。

(3) Bの不正採用について
 共同不法行為者
前川,中村,井邑,高見精一(以下,「高見」という)の共同不法行為により,Bは不正採用された。
 Bの不正採用によって生じた損害は,別紙1の,請求の趣旨3の欄記載の通りである。
 よって,原告らは,請求の趣旨3記載の通りの判決を求める。

(4) Dの不正採用について
 共同不法行為者
前川,中村,井邑,細井利悦(以下,「細井」という),長谷川雅章(以下,「長谷川」という)の共同不法行為により,Dは不正採用された。
 Dの不正採用によって生じた損害は,別紙1の,請求の趣旨4の欄記載の通りである。
 よって,原告らは,請求の趣旨4記載の通りの判決を求める。

(5) J及びHの不正採用について
 共同不法行為者
前川,中村,井邑,長谷川の共同不法行為により,J及びHは不正採用された。
 J及びHの不正採用によって生じた積善は,別紙1の,請求の趣旨5の欄記載の通りである。
 よって,原告らは,請求の趣旨5記載の通りの判決を求める。

(6) P,A及びNの不正採用について
 共同不法行為者
前川,井邑,小松久展(以下,「小松」という)の共同不法行為により,P,A及びNは不正採用された。
 P,A及びNの不正採用によって生じた損害は,別紙1の,請求の趣旨6の欄記載の通りである。
 よって,原告らは,請求の趣旨6記載の通りの判決を求める。

(7) S,M及びEの不正採用について
 共同不法行為者
前川,中村,井邑,高津力治(以下,「萬津」という)の共同不法行為により,S,M及びEは不正採用された。
 S,M及びEの不正採用によって生じた損害は,別紙1の,請求の趣旨7の欄記載の通りである。
 よって,原告らは,請求の趣旨7記載の通りの判決を求める。

(8) その他7名の不正採用について
 共同不法行為者
前川,中札 井邑の共同不法行為により,O,C,I,R,L,Q,Kの7名は不正採用された。
 上記7名の不正採用によって生じた損害は,別紙1の,請求の趣旨8の欄記載の通りである。
 よって,原告らは,請求の趣旨8記載の通りの判決を求める。

以上

 

不正採用者別の損害額一覧表

請求の趣旨

不正採用者

(1)給与及び諸手当

(2)入校旅費

(3)初任科教育負担金

(4)被服費

(5)健康診断費

(6)共済組合負担金

(7)公務災害補償基金負担金

損害合計額

1 784051 39290

119811

120172

5950

34502

1152

1104928

                   
2 1236425 66250

238001

120172

5950

53858

1817

1722473

                   
3 1275185 65450

238001

120172

5950

55440

1874

1762072

                   
4 1234325 69075

238001

120172

5950

53858

1814

1723195

                   
5 1236425 68375

238001

120172

5950

53858

1817

1724598

5 1114697 63375

238001

120172

5950

49012

1638

1592845

  合計 2351122 131750

476002

240344

11900

102870

3455

3317443

                   
6 1236425 73625

238001

120172

5950

53858

1817

1729848

6 1040067 74650

238001

120172

5950

45714

1528

1526082

6 1035267 70845

238001

120172

5950

45714

1521

1517470

  合計 3311759 219120

714003

360516

17850

145286

4866

4773400

                   
7 1232325 71875

238001

120172

5950

53858

1811

1723992

7 1114697 69775

238001

120172

5950

49012

1638

1599245

7 1035267 69775

238001

120172

5950

45714

1521

1516400

  合計 3382289 211425

714003

360516

17850

148584

4970

4839637

                   
8 他7名 1236425 69775

238001

120172

5950

53858

1817

1725998

8   1119197 72225

238001

120172

5950

49012

1645

1606202

8   1116797 73625

238001

120172

5950

49012

1641

1605198

8   1116797 69775

238001

120172

5950

49012

1641

1601348

8   1039067 69350

238001

120172

5950

45714

1527

1519781

8   1042467 77125

238001

120172

5950

45714

1532

1530961

8   1035267 76425

238001

120172

5950

45714

1521

1523050

  合計 7706017 508300

1666007

841204

41650

338036

11324

11112538

                   
 

全合計

21281173 1310660

4403829

2283268

113050

932434

31272

30355686

 

備考

(6) 共済組合負担金の計算内容

 @ 長期の分は含まれていない。

 A 短期負担金(各小数点以下切り捨て)

 ア 短期負担金→月給本棒×0.0459375
   ただし,賞与(期末手当+勤勉手当)については,賞与額(下3桁切り捨て)×0・03675
 イ 短期公的負担金→月給本棒×0.0003125
   ただし,賞与については,賞与額(下3桁切り捨て)×0.00025
 ウ 財政調整負担金→月給本棒×0.0003375
   ただし,賞与については,賞与額(下3桁切り捨て)×0.00027

 B 保険負担金(小数点以下切り捨て)
   月給本棒×0.002375
   ただし,賞与については,賞与額(下3桁切り捨て)×0.0019

 C 業務事務費負担金
   ※652円/月
   Fは,AとBが3ケ月分及び6月の賞与分,Cは4ケ月分で計算
   それ以外は,AとBが5ケ月分及び6月の賞与分,Cは6ケ月分で計算

(7) 公務災害補価基金負担金の計算内容
   給与及び諸手当総額×負担金率0.00147(小数点以下切り捨て)

※652円=当初、625円と記載していたが誤記であり、原告側提出の
「訴えの変更申立書1の訂正申立書(2007年7月4日)で、再訂正した。
関連する計算そのものははじめから652円で行っており、修正の必要がなかった。

 

平成17年(行ウ)第12号  怠る事実の違法確認請求事件

原 告 奥田 寛外22名

被 告 中和広域消防組合管理者 安曽田 豊

訴えの変更申立書2

2007年3月14日

奈良地方裁判所合議1係 御中

原告ら訴訟代理人          
弁護士 相良 博美
      
同         
弁護士法人やまと法律事務所
担当弁護士 石川 量堂
   
担当弁護士 島 由美子
   

頭書の事件について,原告らは,次の通り,追加的に訴えを変更する。

第1 請求の趣旨

1 被告中和広域消防組合管理者安曽田豊は,前川正,中村隆之,井村雅則,林多美子,山本善一,木綿谷弘之,森村修史に対し,連帯して110万4928円を支払うよう請求せよ。

2 被告中和広域消防組合管理者安曽田豊は,前川正,中村隆之,井村雅札森村修史に対し,連帯して172万2473円を支払うよう請求せよ。

3 被告中和広域消防組合管理者安曽田豊は,前川正,中村隆之,井村雅則,高見精一に対し,連帯して176万2072円を支払うよう請求せよ。

4 被告中和広域消防組合管理者安曽田豊は,前川正・中村隆之・井村雅則,細井利悦,長谷川雅章に対し,連帯して172万3195円を支払うよう請求せよ。

5 被告中和広域消防組合管理者安曽田豊は,前川正・中村隆之・井村雅則・長谷川雅章に対し,連帯して331万7443円を支払うよう請求せよ。

6 被告中和広域消防組合管理者安曽田豊は,前川正・中村隆之・井村雅則,小松久展に対し,連帯して477万3400円を支払うよう請求せよ。

7 被告中和広域消防組合管理者安曽田豊は,前川正,中村隆之・井村雅則,万津力治に対し,連帯して483万9637円を支払うよう請求せよ。

8 被告中和広域消防組合管理者安曽田豊は,前川正,中村隆之・井村雅則に対し,連帯して1111万2538円を支払うよう請求せよ。

9 訴訟費用は被告の負担とする。

 との判決を求める。

第2 請求の原因

1 中和広域消防組合は、長谷川雅章、高見精一、森村修史、萬津力治、小松久展、中村隆之、井邑雅則、木綿谷弘之、山本善一、林多美子、細井利悦、前川正らに対して、不法行為に基づく損害賠償請求権(709条)を有する。

 詳細は、既に本件訴え変更申立前の訴状及び原告ら準備書面・訴えの変更申立書1で主張している通りである。

2  本件訴え変更申立前の請求(以下、「変更前の請求」という)は、上記損害賠償請求権の行使を怠っている事実があることを理由に、その違法確認を求める請求である(地方自治法242条の2第1項3号)のに対し、本件訴え変更申立により追加する請求(以下、「変更後の請求」という)は、上記損害賠償請求権の行使を求める請求(地方自治法242条の2第1項4号)である。

第3 本件訴え変更申立ては出訴期間の遵守に欠けるところがない。

1 訴えの変更は、変更後の新請求については新たな訴えの提起にほかならないから、出訴期間遵守の有無は、原則として変更時を基準として判断すると解されている。

2 しかしながら、行訴法は、請求の追加的併合につき、一定の場合には旧訴の提起時を基準として出訴期間遵守の有無を決する旨の規定(行訴法20条)を置いており、この場合に例外が認められているだけでなく、最高裁は、変更前後の請求につき訴訟物の同一性が認められる場合、又は両者の間の関係から新請求に係る訴えを当初の訴え提起の時に提起されたものと同視し、出訴期間遵守の点において欠けるところがないと解すべき特段の事情がある場合には、例外的に請求の追加的併合あるいは訴えの変更につき、旧訴の提起時に新訴が提起されたものとみなして、出訴期間の遵守を肯定することができるとしている

(最判昭和31年6月5日 民集10巻6号656頁、最判昭和37年2月22日 民集16巻2号375頁、最判58年9月8日 判例時報1096号62頁、最判昭和61年2月24日 民集40巻1号69頁)。

3 本件については、特段の事情があるといえる。

 変更前の請求と変更後の請求の原告及び被告は同一である。また、損害賠償請求の理由となっている不法行為の内容も、損害賠償請求の名宛人も同一である。

 変更前の請求により、原告らは、中和広域消防組合管理者を被告として、本件各名宛人に対する損害賠償請求権が存在するので、被告にはこれを行使すべき義務があるということを、訴訟という形で主張していたのであり、変更後の請求も、その点は変わらない。

 よって、本件の訴えの変更については、旧訴の提起時に新訴が提起されたものとみなして、出訴期間の遵守を肯定することができる。

以上


(15)住民訴訟・被告側提出の準備書面(2007・5・11)

平成17年(行ウ)第12号 怠る事実違法確認請求事件

原告 奥田寛 外23名

被告  中和広域消防組合管理者安曽田豊

準 備 書 面


平成19年5月11日

奈良地方裁判所民事部合議2係 御中


被告訴訟代理人 弁護士  中本
  勝 
同     弁護士  西村 甲児

第1 訴えの変更申立書1記載の請求の趣旨に対する答弁

 原告らの請求をいずれも棄却する

 訴訟費用は原告らの負担とする

 との判決を求める。

第2 同申立書記載の請求の原因に対する認否

1 原告らがこれまで主張していた請求原因に対する被告の認否,反論は従前のとおりである。

2 各人の違法行為と相当因果関係のある損害について

(1)共同不法行為者について

 請求の原因第2項(1)ないし(8)の各ア記載の主張については,前川を除く者らの行為によって本件の19名が不正に採用されたことは認める。

 前川が共同不法行為者の一人であるとの主張は争う。

(2)請求の原因第2項(1)ないし(8)の各イ記載の損害については,上記申立書別紙1の「不正採用者別の損害額一覧表」に対して認否を行った方が便宜と思われるので,同一覧表に対して認否する。

 上記一覧表の(1)給与及び諸手当,(2)入校旅費,(3)初任科教育負担金,(4)被服費,(5)健康珍断費については,不正採用された19名各人について同一覧表記載の金額が支出されたことは認めるが,それが損害であることは争う。理由はこれまでに被告が主張してきたとおりである。また,(4)被服費については,中和広域消防組合は上記19名に支給した制服等を全て回収し,サイズが合う分は既存の職員に使用させているので,この点からも損害に当たらない。

 次に(6)共済組合負担金,(7)公務災害補償基金負担金については,上記一覧表記載の金額が不正採用された19名各人について支出された金額であるのかどうかは不知。

 共済組合負担金の金額は,中和広域消防組合の全職員の本給総額に負担金率を乗じて計算されるものであるため,原告ら主張のように上記19名の各本給に負担金率を乗じた額が各人について支出された金額になるのか,中和広域消防組合の全職員の本給総額から上記19名の本給総額を控除した額に負担金率を乗じた額と実際に支払われた負絶金の差額を上記19名に割り付けた額が各人について支出された金額になるのか,あるいはそれ以外の算出方法が取られるべきなのかは被告にとっても不明である。

 公務災害補償基金負担金の金額も,一会計年度における中和広域消防組合の全職員の給与総額に負担金率を乗じて計算されるものであるため,同様に原告ら主張の計算方法による金額が上記19名各人について支出された額となるのかは不明である。

 また,いずれにしても中和広域消防組合が支出した共済組合負担金及び公務災害補償基金負担金が損害に当たることは争う。

第3 訴えの変更申立書2記載の請求に対する本案前の答弁

 原告らの請求をいずれも却下する

 訴訟費用は原告らの負担とする

 との判決を求める.

第4 本案前の答弁の理由

1 上記変更後の請求にかかる訴えは出訴期間を徒過し,不適法である。

 原告らも主張するとおり,訴えの変更は変更後の請求については新たな訴えの提起にほかならないから,当咳訴えについて出訴期間の制限があり,訴え変更の時点でその出辞期間が経過している場合には,変更前後の請求の間に訴訟物の同一性が認められるか,又は両者の間に存する関係から変更後の新請求にかかる訴えを当初の訴え提起の時に提起されたものと同視し,出訴期間の遵守において欠けるところがないと解すべき特段の事情がある堤合でなければ,変更後の請求にかかる訴えについて出訴期間が遵守されたことにはならない。

2 本件の各請求に訴訟物の同一性はない。

 本件では,訴え変更前の請求は地方自治法242条の2第1項3号による違法確認の訴えであり(以下「3号請求」という。),追加的に変更された請求は同項4号による損害賠償の請求をすることを地方公共団体の執行機関に求める訴えであるので(以下「4号請求」という。),訴訟物の同一性はない(4号請求の訴訟物につき,(財)法曹会発行「改正住民訴訟執務資料」18頁参照)。

3 本件では,追加された4号請求にかかる訴えについて出訴期間の遵守に欠けるところがないと解すべき特段の事情もない。

 本件では,地方自治法242条の2第2項に定める出訴期間内に3号請求と号請求のどちらも訴訟提起可能であった。しかるに,原告らはあえて3号請求を選択して訴えを提起しており,4号請求については上記出訴期間内に訴訟提起可能であったにもかかわらず訴えを起こしていない。そして,本件の訴えが提起されてから原告らが4号請求にかかる訴え変更申立書を提出するまで,訴えの変更を行うべき何らかの事情の変更があったわけでもない。このような場合にも4号請求の追加を可能とすれば,結局3号請求が係属している限りいつでも4号請求の追加は可能となり(あるいはその逆も可能となる。),地方自治法が3号請求や4号請求について厳格な出訴期間を定めた趣旨が没却されると言わざるを得ない。したがって,追加された4号請求にかかる訴えにつき,出訴期間の遵守に欠けるところがないと解すべき特段の事情があるとは到底解されない。

 なお,上記特段の事情があると判示し,結論においても訴えの変更を適法とした判例は@最判昭和31年6月5日とA最判昭和61年2月24日であるが,これらの判例はいずれも訴えの変更を必要とする何らかの事情変更があった事案である(@は,農地買収計画の違法を理由に,これを是認した訴願裁決の取消を求める訴訟の係属中,買収手続が進行し,買収令書の交付に至ったため,請求を買収処分の取消に変更したという事案。Aは,自己所有地について換地処分がなされることに不服を持った者が将来換地となることが予定されている土地を従前の土地に代わる一時利用地と指定する処分に対して取消を求める訴訟を提起したところ,同訴訟の係続中に正式な換地処分がなされたため,従前の請求を当該換地処分の取消の訴えに変更したという事案。)

 また,平成14年の地方自治法改正前の事案ではあるが,3号請求から4号請求への訴え変更が問題になった事案として最判昭和58年7月15日があり,この判例においては出訴期間の遵守に欠けるところがないと解すべき特段の事情がないとして,変更後の請求にかかる訴えは不適法とされている。

 以上から,本件の4号請求にかかる訴えは不適法なものとして却下されるべきである。

第5 訴えの変更申立書2記載の請求の趣旨に対する答弁

 原告らの請求をいずれも棄却する

 訴訟費用は原告らの負担とする

 との判決を求める。

第6 同申立書記載の請求の原因に対する答弁

 4号請求に関する請求の原因に対する認否反論は,3号請求に関するこれまでの被告の主張と同様である。

以上


(16)住民訴訟・被告側提出の訴訟告知書(2007・5・11)

平成17年(行ウ)第12号 怠る事実違法確認請求事件

原告 奥田寛 外23名

被告  中和広域消防組合管理者安曽田豊

訴訟告知書


平成19年5月11日

奈良地方裁判所民事部合議2係 御中


告知人(被告)訴訟代理人 弁護士  中本
  勝 
同               弁護士  西村 甲児

当事者及び被告知人

別紙当事者目録記載のとおり

 告知人は,被告知人らに対して,上記原告被告間の奈良地方裁判所平成17年(行ウ)第12号事件について,訴訟を告知する。

第1 告知の理由

 上記頭書事件について,原告らは,被告知人らのうち前川正を除く者らについては,同人らが中和広域消防組合の平成17年度職員採用に関して,一部の者を同消防組合の職員として任用するよう不正に働きかけ,あるいはその働きかけを受けて職員採用試験の試験結果を改竄するなどの違法行為を行い,被告知人前川については同年度の職員任用行為が適正に行われるよう監督する義務があったのにこれを怠るという違法行為を行ったため,同年度の中和広域消防組合の職員採用者のうち19名が不正に任用され,その結果,同19名の給料や諸経費相当分の損害が中和広域消防組合に発生しているとして,同消防組合に被告知人らに対する不法行為に基づく損害賠償請求権が存在すると主張している。

 そして,原告らは,これまでは被告の上記損害賠償請求権の行使について地方自治法242条の2第1項3号による違法確認の請求を行っていたが,平成19年3月15日,訴えの変更申立書を提出し,

1 被告は,前川正,中村隆之,井邑雅則,林多美子,山本善一,木綿谷弘之,森村修史に対し,連帯して110万4928円を支払うよう請求せよ

2 被告は,前川正,中村隆之,井邑雅則,森村修史に対し,連帯して172万2473円を支払うよう請求せよ

3 被告は,前川正,中村隆之,井邑雅則,高見精一に対し,連帯して176万2072円を支払うよう請求せよ

4 被告は,前川正,中村隆之,井邑雅則,細井利悦,長谷川雅章に対し,連帯して172万3195円を支払うよう請求せよ

5 被告は,前川正,中村隆之,井邑雅則,長谷川雅章に対し,連帯して331万7443円を支払うよう請求せよ

6 被告は,前川正,中村隆之,井邑雅則,小松久展に対し,連帯して477万3400円を支払うよう請求せよ

7 被告は,前川正,中村隆之,井邑雅則,萬津力治に対し,連帯して483万9637円を支払うよう請求せよ

8 被告は,前川正,中村隆之,井邑雅則に対し,連帯して1111万2538円を支払うよう請求せよ

 との地方自治法242条の2第1項4号による請求を追加した。

 よって,告知人は被告知人らに対し,地方自治法242条の2第7項に基づき,上記訴訟を告知する。

 ただし,上記相手方のうち長谷川雅章,萬津力治については,本訴訟告知の時点で既に死亡していることが判明したので,被告知人から除外している。

第2 訴訟の程度

 上記訴訟については,奈良地方裁判所民事部合議2係において下記のとおり口頭弁論期日が開かれ,次回口頭弁論期日は平成19年5月23日午前11時00分と指定されている。

第1回口頭弁論 平成18年3月8日 午前10時00分

第2回口頭弁論 平成18年5月31日 午後1時10分

第3回口頭弁論 平成18年7月12日 午後1時10分

第4回口頭弁論 平成18年9月13日 午後1時45分

第5回口頭弁論 平成18年11月15日 午後1時45分

第6回口頭弁論 平成18年12月20日 午後1時15分

第7回口頭弁論 平成19年2月8日 午前11時30分

第8回口頭弁論 平成19年3月22日 午後3時00分


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