情報開示3月

情報開示」で橿原市政を変える! 〜2004年3月議会報告〜(2004・5・1発行)

 

 

奥田の市政報告会を兼ねた「行政改革市民会議」設立準備集会へどなたでもご参加下さい。(詳しくは末尾)

5月中旬に「情報開示」第二弾を新聞折り込みで橿原市内に配布予定です。

奥田 寛(おくだ・ひろし)昭和48年6月17日生。30歳。

平成15年10月〜橿原市議会議員

地方自治経営学会会員

平成16年4月〜奈良産業大学で科目履修生として行政学を勉強中。

 

(1)市議会が変わった!

(2)市議会が変われば市政が変わる

(3)「三位一体の改革」で8億3400万円の歳入減

(4)でも、やっぱり、市政を本当に変えることがでできるのは市民だけ


(1)市議会が変わった!

 

市議会議長選挙(2004・3・8)

 

みなさま、長らくお待たせしました。

「情報開示」第一弾として、3月8日〜25日の日程で開催されました、平成16年3月議会の様子をご報告します。

橿原市議会は年4回、3月・6月・9月・12月に開かれていますが、3月議会は、議長・副議長など議会の役員を決める選挙(役員改選)、市長の市政方針演説、予算案の審議があり、今後1年間の橿原市政を方向づける特に重要な議会です。


橿原市では、4年に一度の市議会議員選挙を2月に行っているため、最初の3月議会で市議会議長・副議長を選出し、以降、毎年3月に改選を行っています。

住民の直接選挙ではなく、議員の互選によるものなので世間ではあまり注目されていないようですが、実はこの選挙は、政治的状況によっては市長選そのものにも匹敵するほど重要な意味があります。

最近の橿原市議会では、毎年の議長選のたびに議員26人がほぼ真二つに分かれ、多数を制した派閥から議長が出るという、二大政党制のような形になっています。

市長が予算案や条例案を議会で可決してもらうためには、議会の半分を抑えている議長(議長派閥)の賛成が最低条件ですから、議長選挙は市政方針そのものにも大きな影響を与えるのです。

今回の役員改選では、直前まで少数派と思われていた「A派」が半数に達し、「A派」推薦の議長が誕生するという『市議会の政権交代』とも言うべき波乱がありました。



市議会議長に井上龍将氏



議長選の投票結果は、井上龍将氏(13票)、竹森衛氏(12票)、白票(1票)。

前年度は私の知らない勢力に推されて議長を務められた井上氏ですが、今回は私・奥田も属する「A派」の推薦を受けての議長再選となりました。


橿原市初の共産党副議長が誕生



副議長選の投票結果は、杉井康夫氏(13票)、竹森衛氏(13票)。

私・奥田は「A派」推薦の杉井氏に票を投じたのですが、同数のためくじ引きが行われ、共産党の竹森氏が当選を引き当てました。

この選挙は無記名投票のため、議長選で井上氏、副議長選で杉井氏に投票した13人の内、私自身を除いた12人が誰だったのかということを知るには、議員諸氏の個々の証言によるしかありません。

ただ、私は「万葉花鳥園計画」をストップすることで意見一致し、議長・副議長選で誰を推すかを事前に打ち合わせた「A派」13人の名前をあげることができますので、確認をとりたい方は奥田までご連絡ください。


議会選出監査委員に小川和俊氏



議会選出監査委員は市長が提案し、その当事者(この場合小川氏)を除いた本会議での同意が必要となります。


今回、小川議員を監査委員とすることに起立で賛意を表明したのは私・奥田も含め12人、着席も同じく12人でしたので、最後に井上議長が賛成の議決票を投じて案件が同意されました。

 


(2)市議会が変われば市政が変わる

予算委員会で「花鳥園」凍結(2004・3・15)



予算委員会での、安曽田市長の「花鳥園計画は凍結」という発言が、翌日の新聞で大きく取り上げられました。

万葉花鳥園とは、万葉集にゆかりの鳥を市営で飼おうという動物園や昆虫館のような、建設や維持費に数億円かかると言われている施設です。

今回の予算案には、鳥を飼うのに必要な井戸水を確保できるかどうかといった用地調査のための200万円が計上されていたのですが、市長はこの案が【議決される前に凍結を宣言】し、事実上、撤回してしまったのです。

後に、市長はマスコミに対して「国の補助金も減ってきている。市単独では着手しない」「3年間は凍結」と明言しています。

私は、議長選の記事の中で、今回、議長派閥となった「A派」が、花鳥園計画をストップすることで一致した議員たちであることをご報告しました。

市長が花鳥園凍結を言わざるを得なくなった背景には、予算案をまとめていた3月以前と、予算案を通すための3月議会との間に、議会の勢力図が逆転してしまったことがあるのは間違いありません。

また、予算委員会では「A派」以外の議員からも、「財政が厳しくなっているし、昆虫館の入場者も減っている。新しい事業に手をつけるより既存の施設の運営を見直すべきでは」という鋭い指摘がありました。

派閥の違いを越えて花鳥園計画に反対の議員が多いということ、さらにはオンブズマンなど市民からも花鳥園撤回の声があがっていることを思えば、市長のご決断は他に有り得ない選択であったと思われます。

上程されなかった収入役人事(2004・3・25)



3月定例会最終日に、収入役人事が市長から提案されなかったことが新聞で大きく取り上げられています。

当初、市長は3月末で4年の任期を終える楢宏(なら・ひろし)収入役を再任する予定でしたが、議長・副議長を除いた議員24人の賛否が同数であったことから、6月議会で新たな人物を選任すべく、議案の上程を見送ったものです。

この件について、「A派」では『楢氏がいけないというわけではないが、必ずしも楢氏でなければならないとも思えない。議員全員が賛成できる人事を提案するよう市長に求めよう』ということで意見の一致を見ました。

「A派」で意見一致と言っても、そこに辿り着くまでの理由には個人差がありますので、以下、私が上の意見に賛成することにした個人的な思いを説明させて頂きます。


  
私・奥田が収入役再任にこだわらなかった理由


  
まず、楢氏が議会最終日の収入役退任挨拶の際に行ったスピーチの一部を要約してお伝えします。



「し尿処理場の建設工事が心配である。暴力団が(公共事業の)リストを作っていて、狙っている。職員が被害を受けないよう対処をしたいと思っていた。(悪事は)協力者がいなければできないことだから、しっかり監視の目を光らせて欲しい」



楢氏は、収入役としての職務のほかに、橿原市が指名競争入札で公共工事を発注する際に、指名業者を選定する委員会に委員の一人として参加し、大きな発言力を持っておられたようです。

この委員会は審議録などが残されていないので詳しいことが分からないのですが、或いは、県警OBとしての立場から、暴力団が関係している業者を指名から外すよう進言するといった形でもご活躍しておられたのかもしれません。



私は、30億円規模と言われるし尿処理場の建設工事は、「指名競争入札」ではなく「一般競争入札」でやるべきだと考えています。

談合による高値発注を防ぐためには「指名で暴力団を排除する」よりも、シンプルに「一般競争入札」にした方が効果的です。

平成15年の12月議会の時点ですでに、藤本助役が「し尿処理場は一般競争入札で行う」ということを明言しておられますから、楢氏の言わんとしたことは、必ずしも、し尿処理場の本体工事の話ではなかったのかもしれません。
し尿処理場に関しては、本体工事以外にも運転委託や、予備品・消耗品の納入などの大きな取引が発生します。

私は、これらについても随意契約や指名競争入札を避けて、すべて一般競争入札に付すべきだと思っています。



し尿処理場以外の公共事業についても、同じことが言えると思います。

よく似た例では、ごみ焼却場の運転を随意契約で民間委託していますが、本来、入札にかけられてしかるべきものと思います。

また、橿原市が行っている公共事業のほとんどは指名競争入札で行われています。

市が入札に参加する業者を指名し、その業者名を入札前に「事前公表」しているのですが、このシステムでは業者がお互いに連絡を取り易いため、談合を防ぐ役には立ちません。

談合の可能性を減らすためには、入札が終わった後で参加業者名を「事後公表」するシステムか、或いは不特定多数の業者が入札に参加できる一般競争入札にすべきです。

(税収を考慮して、「市内業者」という条件付きでの一般競争入札も有り得ます)



楢氏は、暴力団の排除という「良い仕事」をしておられたかも知れませんが、ある一定の業者と関わりを持ち、その業者を優先的に指名するよう働きかけるような「悪い仕事」はしておられなかったと思います。

その優秀な人物をあえて再任しないのは、私がこの問題を「人事」の問題であるというより、入札制度改革という「行革」の問題と考えているためです。

楢氏が今まで関わって下さっていた「指名業者の選定委員会」は、ある時代においては必要だったのだろうと思いますが、これからは指名競争入札そのものを考え直さなければならない時代です。

市長には、収入役本来の仕事をこなすと同時に、入札制度のあり方そのものを変える行革手腕を持った人物を提案して頂きたいと思っています。



最近、ある新聞の論説で、橿原市の収入役人事が停滞しているのは『議員各派の「綱引き」の結果』との分析を見かけました。

「A派」の意見や、その逆に「A派」以外の議員の意見に偏ってしまう人が収入役になるのが好ましくないことは間違いありません。

あらためて、以下2点だけ確認させて頂きたいと思います。

(1)「A派」は、議員全員が賛成できるような人事を市長に要求しています。

(2)私・奥田は個人的に、「収入役は、行革推進の立場からの人選が望ましい」と考えています。

 


(3)「三位一体の改革」で8億3400万円の歳入減

 

3年後には30億円の歳入減



国が進める行政改革に対して、全国の市町村の行革の進み具合はずいぶんバラツキがあります。

すでに3年前から始まっている地方財政計画の圧縮に加え、今年度からは、国から地方へと税源を委譲するかわりに、補助金と地方交付税交付金を減らそうという「三位一体の改革」がスタートしました。

橿原市の平成16年度の予算では、平成15年度と比較して、国からの渡される経常収入が8億3400万円の減となり、3年後の平成18年では、15年度に比べて約30億円もの歳入不足が見込まれています。

進まない行政改革のつけは市民が払うのか


行政は、経常的な収入がこれだけ減っている帳尻をどこで合わせようというのでしょうか。

今回、橿原市では平成16年〜18年までの3年間、市長・助役・収入役・教育長・水道事業管理者という市の常勤特別職5役の基本給を3〜5%減額し、また、約230人の管理職についても手当ての見直しを行い、年間約1400万円の節約をしようという制度の改正を行いました。
もちろん、これだけではなく、平成15年度には人事院が公務員給与のマイナス勧告を出したことから、今年度の人件費は、前年度当初額に比べて人事院勧告分だけで1億5000万円以上の減になっています。

また、各課において職員数を切り詰めることで、全体の職員数も減少しています。

しかし、あえて言うなら、職員数をあちこちで切り詰めたり、給与や手当てを一律に3年間だけカットしたりという場当たり的な対応は、本当の「行政改革」ではないのです。

恒久的に、ある業務丸ごとの民間委託を行っていかなくては、この収入不足のつけは市民へと回ってくることになります。

 

行政改革が進まなければ、市民サービスが低下する!



橿原市では各種団体に198件の補助金を交付していますが、今年度から一律に1割削減で、年間3300万円の節約を図ることになりました。

昨年4月から一般ごみを入れる袋が有料化されたのは記憶に新しいところですが、今年の6月からは、十市町の「福祉センターやわらぎの郷」の入館規定が変わり、今まで60歳以上の方は無料であったのが、70歳以上無料に改め、69歳までの方からは400円徴収して、年間3000万円程度の売上げを見込んでいます。

同じように川西町の「老人福祉センター千寿荘」についても、69歳までは有料とする見直しが行われ、老朽化している館の改修に合わせて実施されることになっています。



「行政改革」は、今まで公が担っていた業務の民間委託を進め、公務員の人数と人件費を削減しつつ、民間からの税収を伸ばそうという「小さな、効率の良い政府」という発想に拠るものです。

業務の民間委託を行わずに公務員を減らせば、職員一人当たりの労働量が増えることになります。

かといって、公務員を削減せずに市民へ負担を押し付けるような制度の変更が「行政改革」で無いことは言うまでもありません。


公務員労働組合は変われるか



今、全国各地で公務員労働組合と一般住民の、対立的な利害関係が問題となってきています。

一般的に、公務員労組は「公務員の人数を削減すると住民サービスが低下する」という理由で「業務の直営堅持」を要求しているようですが、私は、真実はまったく逆であると思っています。

むしろ、ごみ収集をはじめとした「民間委託可能な事業」を公営で続けることによって財政が破綻し、そのしわ寄せで事務系職員が減らされて一人当たりの労働量が増え、人事院勧告や条例改正での給与の一律カットが行われているのです。

この橿原市でも、他の行革先進都市を見習って早い時期からごみ収集を民間委託に切り替えていたならば、ごみ袋の有料化などを避けることが出来たかもしれません。

公務員労働組合は、組合会員費目当ての「直営堅持」を諦めて、「人数が減るのは認めても、公務員一人一人の待遇は悪化させない」という方向へと戦略転換しながら、住民サービスを低下させないことで、一般の理解を得る努力をすべき時に来ているのではないかと思います。




(4)でも、やっぱり、市政を本当に変えることが出来るのは市民だけ



市議会が変わり、市職員労組の中でも一部に変革の動きが見られるようになってきました。

でも、やっぱり、市政を本当に変えることが出来るのは、市民自身をおいて他にはないのです。

今、多くの自治体で行政の事務事業評価を市民に任せる取り組みが始まっています。

橿原市が「3次行革大綱」を作成するときに市民代表で組織し、提言勢力として一定の役割を果たした「行政改革推進委員会」は、良い試みではあったのですが、平成15年度以降、市長がこの諮問機関を召集していないために、行政を評価する委員会としては機能できていません。

市民自らが行政を評価する、継続的かつ公明正大なシステムを求めて「行政改革市民会議」を立ち上げたいと思っています。

どうぞご参加ください。

 


奥田の「市政報告会」を兼ねて「行政改革市民会議設立準備集会」を下記要領で行います。



月日:平成16年5月30日(日)PM1:00〜5:00

場所:奈良県社会福祉総合センター 3F会議室(近鉄畝傍御陵前駅 東出口から北東へ徒歩約3分)

参加:どなたでも無料でご参加頂けます。連絡も不要。

   先着50人までしか部屋に入れませんが、連絡を下さる方は席をお取りおきしておきます。

   また、出席如何に関わらず、ご希望の方には資料を送らせて頂きます。

連絡:090-3867-8200 奥田まで

 

 

「情報開示」:第二弾を、5月中旬に新聞折り込みで橿原市内に配布予定です。

ホームページ:http://www.imj.ne.jp/okudahiroshi/ に奥田が12月議会で行った一般質問と、3月議会で行った一般質問「行政改革の推進について」のダイジェスト、議員として受け取った給与の明細、政務調査費の使途などを公開しています。

どうぞよろしくお願いします。


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